スイス在住で日本に一時帰国中に行方不明になっていた金融業の霜見（しもみ）誠さん（５１）ら男女２人が遺体で見つかった事件で、警視庁捜査１課は２９日、死体遺棄容疑で住所不定、職業不詳、桑原隆明容疑者（４１）を逃走先の沖縄県宮古島市で逮捕した。同課は夫婦が何者かに殺害された可能性が高いとみて、殺人などの容疑で築地署に捜査本部を設置した。
【写真で見る】遺体が見つかった場所 すぐ近くには民家が
捜査本部などによると、同容疑で逮捕状が出ている別の男も宮古島市に潜伏しているとみられ、現地に捜査員を派遣し行方を追っている。桑原容疑者は同市の路上で一人でいるところを発見されたが、任意同行時に「知らない」などと話し、事件への関与を否定したという。
桑原容疑者の逮捕容疑は昨年１２月７日ごろ、埼玉県久喜市佐間の更地に、霜見さん夫婦の遺体を埋めて遺棄したとしている。
警視庁は２９日夜、桑原容疑者を飛行機で捜査本部のある築地署に移送し、霜見さんとのトラブルなどについて追及する方針。
久喜市内で霜見さんと一緒に遺体で発見された女性は妻美重さん（４８）とみられ、捜査本部が確認を急いでいる。また、司法解剖の結果、２人の死因はひものようなもので首を圧迫されたことによる窒息死とみられることが判明。死後１～２カ月程度経過しているという。
遺体発見現場に放置されていた車の内部からは血痕も見つかり、霜見さんのものとみて調べている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】
